映画「クローズド・ノート」への美術協力

個人所有+法人所有の意義

 私は、職業柄あるいは立場上、個人的に興味・関心を持ったものをそれだけで終わらせず、発展させたり連携させていくことを常に考えています。それは、この万年筆においても例外ではなく、その「魅力ある何か」は、会社の強力なPR活動の一環にもなると当初から確信していました。そして、個人所有とは別に万年筆の法人所有のメリットを模索したのでした。マーケティングという本業とかけ離れた万年筆に対するその発想は、極めて突飛なものだったと思いますが、その成果は意外にもすぐに現れました。

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 法人所有が個人所有と最も異なる点は、単純に筆記具として使うこと以外の明確な目的意識があるため、傷むとか傷つくとかいう個人的な感情に左右されないということです。

 最も顕著な例は、映画「クローズド・ノート」(2006年東宝)に会社として美術協力したことでしょう。この映画では、脚本(ストーリー)の展開上、ペリカンの「復刻版1931トレド」と「スピリット・オブ・ガウディ(Spirit of Gaudi)」の2本の万年筆がどうしても必要だったのです。ところが、東宝がその所有を確認できたのは、ほとんどが個人所有で、やはり損傷を危惧することから、どこからも借り受けの了解が得られなかったというのです。

 そのような事情から、私の会社に貸し出し依頼があったわけです。私としては、まさにそのような用途を想定した法人所有を試行してみたわけで、2本の万年筆はめでたく映画の一齣を飾ることになったのです。

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 実際には一部のシーンで、殴り書きに近いような場面もあったのですが、それを前提とした美術協力であり、私の会社のPRにも一役買うわけですから、まさにそのための法人所有が意味を持ったというべきでしょう。

 なお、ここで使用している映画のカットおよびポスターは、六本木ヒルズ森タワーでの展示にあたって東宝株式会社より株式会社インプレッションに提供されたもので著作権のすべては東宝株式会社に帰属します。

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