3.日本への異品種の混入

 1951年以降、日本に初期導入された品種のうち、少なくても「ブルークロップ」、「ブルーレイ」、「アーリーブルー」が、異品種であったことは、私の調べた限りでは明白な事実といえます。しかし、その事実は、ほとんどオープンにされてはいません。というよりも、誰もが薄々そう感じながらも、公にされていないというのが実際のところなのです。したがって、一般のブルーベリー苗木マーケットでは、現在でも、その混乱は大きく尾を引く結果となっているのは当然のことなのです。

 さらに、日本では、このアメリカのビッグセブン制定の逆効果として、すでに導入されていた誤ったビッグセブンの品種が、その後の2回にわたるブルーベリーブームにも乗って、さらなる勢いで増殖されることにもなったといえるでしょう。

 現在、日本の主要なブルーベリー園においても、後に正確なブルークロップやブルーレイを再導入したところも多いのですが、本来の品種とは異なるブルークロップやブルーレイも、事実上、相当なシェアを占めています。それも、そのままの誤った品種名として残存している場合が多いのです。そして、その品種名のまま増殖がなされている事例も極めて多い。なぜならば、誰一人として過去から引き継がれてきた品種の名札を書き換える勇気や判断を持ち得なかったからなのです。

 これら異品種は、当然大粒の品種ではないのですから、小〜中粒の果実しか着果しないのは当然のことです。また、アーリーブルーに関しては、なんと21世紀をむかえる頃まで、既存品種の是正をした研究機関からの導入以外では、流通しているもののほとんどが異品種であったと考えられます。正真正銘のアーリーブルーの苗木は、もはや稀少価値があったともえいるのですが、それを理解できる土壌すら当時の日本にはなかったというのが実際のところでしょう。

 さらに、地域によっては、これら異品種による混乱だけでなく、いまだに全く品種名が不明のブルーベリーも多数存在し、一般には正しい品種名として扱われているものの方が、むしろ珍しいとさえいえる混乱ぶりを見せていました。

 この事実は、ブルーベリーという果樹に、本当に品種という概念が必要なのかという問題提起をしているとも私には思えたのでした。それは、生産者のみならず、消費者の問題ともいえるのでしょう。