都会で楽しむブルーベリー

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総責任者:渡辺 順司
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ブルーベリーの旅

28.ブルーベリー黎明期の品種
 私の「ブルーベリー大図鑑」の中の、「スタンレイ」は112品種のうちの1品種に過ぎない。また、「本物のスタンレイ探しの旅」は、その代表的かつ象徴的な一例に過ぎない。

 しかし、この「スタンレイを探しての旅」の中だけでも、明らかに固有の形質を持った品種が、すでに3品種見つかっている。

 これら3品種は、周辺情報によっても古くから栽培されているものであることが確認されている。さらに、全く異なる複数の別の産地に、同様に存在した品種でもある。したがって、日本へのブルーベリー導入以後に、安易な実生などによって国内で増殖されたものではないことが明らかとなっている。

 だとすると、これら3品種は、ブルーベリー黎明期の古い品種のいずれかに該当するものであると考えるのが妥当である。

 たぶん、これら3品種は、キャボット(1920年)、キャサリン(1920年)、パイオニア(1920年)、グリーンフィールド(1926年)、ウエアハム(1936年)、スキャメル(1931年)、アトランティック(1941年)などのどれかであることだろう。

 また、このうちキャボット、パイオニア、スキャメル、アトランティックにおいては、1951年から1954年にかけて、日本への導入の記録があるため、その確率はさらに高いもののといえるだろう。

 しかし、それは、もはやスタンレイ同様に確認のしようがないものなのである。また、過去がそうであったように、将来的にも、そこに興味を持たれること自体、まずはありえないことだろう。

 私は、アメリカ農務省(USDA)コビル博士(Dr.Frederick V. Coville)をはじめとする開発者によって、少なくとも選抜に選抜を重ねられて生まれてきたはずの、これらの品種に敬意を払い、「ブルーベリー大図鑑」の中にブルーベリー品種系統図を作成した。

 コビル博士の後継者であるダロウ博士(Dr.George.M.Darrow)が、作成したとされる上記の「新品種の系図」は、なんと1960年のもので、それ以来、ブルーベリー研究者はじめ、すべての関係者の誰によっても改訂されてはいないようだ。私の知りうる限り、少なくともそのような発表はされてはいない。

 結局、それほどまでにブルーベリーという果樹は、あるいは品種というものは、今まで全くといっていいほど興味を持たれていなかったのだと私は考える。熱心な研究者も存在しただろうが、少なくとも発表するに至ってはいない。それほど、ブルーベリーとはマイナーな存在なのである。日本でも、ブルーベリー研究に一生を捧げるよりも、リンゴやミカンの論文を書いた方が、手っ取り早く出世できるはずである。
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