ウサギの紙ばさみ

 「ウサギの紙ばさみ」の不思議な魅力に惹かれつつも価格的要因から一向に買う気にはなれず、記憶にすら留めていなかったため、再びショップを訪れるのには当然別の目的があったわけです。しかし、訪ねるたびにどうしてもこの製品が気になってしまい、そのあたりから、このヴィエナ・ブロンズというカテゴリー自体に興味が湧いてきたわけです。

 ネットで調べたところでヴィエナ・ブロンズの情報は世界的にも少なく、まして日本における情報はほとんど皆無に等しい状態でした。さらに、海外のショップやオークションでも、心惹かれる製品はほとんど存在せず、まれに魅力的だと感じたものは極めて高価なものでした。

 私は、このヴィエナ・ブロンズというカテゴリーを理解してくるにつれ、この「ウサギの紙ばさみ」自体の稀少性と価値が徐々にわかってきたのでした。それは、単純に唯一無二だということです。価格的妥当性など最初から存在しないのです。最終的には、自分が幾らなら欲しいかということに尽きるのです。あるいは、もしも売れてしまったならば、後悔するか否かという基準が存在するだけなのです。

 私は、この時に生じたひとつの「判断基準としての価値観」は、別なものにも応用可能な「モノサシ(ノウハウ)」として、今でも非常に役に立っていると感じているのです。

ウサギの紙ばさみ