ヴィエナ・ブロンズの魅力

 ショップのオーナーによると、日本におけるヴィエナ・ブロンズ自体の知名度と認識の低さゆえ、その「ウサギの紙ばさみ」は仕入れてからすでに5年以上も経っているというのです。そして、私がその存在を知ってからも、すでに半年が経過しているのでした。普通の商売でしたら不良在庫ということになるのでしょうが、アンティークショップとはまさにそういうもののようです。
  しかし、このような長期間にわたる奇妙な「縁」によって、私にとってもショップにとっても幸か不幸か、双方が納得する価格で折り合いがつき、とうとう「ウサギの紙ばさみ」は私のもとに来ることになったのでした。

ウサギの紙ばさみ

 現在、私は自分自身がヴィエナ・ブロンズに感じたこれほどまでの魅力が、普遍的なものなのか否かということに注目しています。書籍にしても、ブロンズ製品全般はともかくヴィエナ・ブロンズの専門書籍は、私の知る限り世界でもわずか2冊しか確認できていません。つまり、マジョリティが認知すらしていないカテゴリーに強く惹かれた自分自身の感性そのものに多大なる興味と関心を持っているのです。

ViennaBronze書籍

 私が「珠玉のマイノリティーアート」と定義したヴィエナ・ブロンズの魅力とは、そのマイノリティーというハンディを克服した場合に、広く一般が共感し共有しうるものだという確信を検証してみたいと思っているのです。それこそが、この世界的にもマイナーな「ヴィエナ・ブロンズ」を独自に体系化し、その情報を本格的に発信しようと思い立った動機なのです。