ボージョレのオールドヴィンテージ

 日本でボージョレといえば、毎年11月第3週の木曜日に解禁されるヌーボー。そして、ヌーボーは一般に早いほど美味しいとされ、その賞味期限は約6ヶ月であるとソムリエ教本に記してあるといいます。したがって、ボージョレ地区の主要品種であるガメイも、長期熟成には向かないというイメージが定着しているようです。

 そのような理由からボージョレのオールドヴィンテージの存在は、ほとんど知られていないようですが、モルゴン(Morgon)、ムーランナバン(Moulin-A-Vant)、フルーリー(Fleurie)、ジュリエナ(Juliena)、シェナ(Chenas)などの地区をはじめとして長期熟成ワインが生産されているのです。

ボージョレ古酒01

 

 確かに甘みの強いガメイを使ったボージョレのオールドヴィンテージには、砂糖を直接感じるような上品とはいえない印象があるのも事実です。しかし、様々な要因の重なり合いによって信じがたいほどの素晴らしい熟成感を見せるものがありますす。ガメイであるはずが、まさにピノノワールの印象。それも完璧な環境で完全なる熟成を迎えたブルゴーニュの古酒。それと見紛うような香りと味覚を誇るボージョレのオールドヴィンテージが存在することは事実なのです。これは、けっして偶然の産物ではなく素性と保管状態の良さを前提とした確率の問題のように感じます。

ボージョレ古酒02

 

 ガメイという品種が、どうして長期熟成したピノノワールに酷似したものへと変貌を遂げるのかは全く不明ですが、実際にそれを初めて体験した時の印象は忘れることができないばかりか、まったく信じ難いことでした。そして、その後も同様な体験をし、同じように幾度かの感動を味わっているのです。ただし、その幾度かの感動のために、何倍かの失望を味わっているのもまた事実です。しかし、入手が困難ではあるものの、見つかりさえすれば比較的安価であることもボージョレのオールドヴィンテージの魅力のひとつだといえるでしょう。

ボージョレ古酒03