ボトルに感じる付加価値

 オールドヴィンテージといわれるワインのボトルを注意深く観察すると、その個性から「時代」というものを感じることができます。下の写真は、すべてボルドーのオールドヴィンテージの空き瓶です。キャップシールは短く、形状が整っていないのが特徴です。また、ラベルや瓶の汚れは湿度の高い健全な保管状態を示すものともいわれてます。

 左から「Chateau Leoville Lascase 1916年」、「Chateau Pichon Longueville Baron 1922年」、「Chateau Pontet Canet 1937年」、「Chateau Cheval Blanc 1938年」、「Chateau Leoville Poyferre 1945年」です。

 年代を追うごとに底の部分の窪みが非常に深いことがわかります。そして、手造りであるため形状や厚さが均一でなく、特に左の2本(1916年と1922年)は、底面が非常に不安定な状態であることがわかります。また、製造された地域や国のみならず、戦時中であったなどの社会情勢によってもボトルの形や色が異なったりします。安定した大量生産が叶わなかった時代の産物でもあることが容易に推測できます。

ワインのボトル

 

 シャトー・レオヴィル・ラスカーズ(1916年)のボトルを現代のボトルと比較してみると、手造りが介在する時代の製品と、均一なクオリティを約束する工業製品との違いがよくわかる気がします。ヴィンテージワインには、中身の味覚だけでなく時代に想いを馳せる付加価値が潜んでいると思っています。

ラスカーズ1916-1982

 このように、ラベルやコルク以上に普段はほとんど意識もされないヴィンテージワインのボトルには、様々な個性や特徴があることがわかります。そのような目でボトルを見ると、レストランによっては、テーブルの配置やスペースの関係から、ボトル自体がテーブルから遠く離れたところに置かれることがあるのを残念に感じることがあります。