ラベルに感じる付加価値

 私は、ヴィンテージワインのラベル(エチケット)にも、唯一無二の付加価値を感じます。このラベルというものも、長い経年変化を経た場合、全く同じものは二つと存在しないのです。

 下の写真は、「ドメーヌ・ド・シュヴァリエ(Domaine de Chevallier)1985年」の2本のボトルです。同銘柄&同ヴィンテージのワインが、別々に辿ってきた道程によって、これほどまでに外見上の違いが生じるのです。ちなみに、これは蔵出し時期の違いによるものではありませんが、仮にそうであったとしても、これほどまでの様相の違いにはある種の感慨を禁じ得ません。

ワインのボトル

 

 また、ボルドーをはじめとした長期熟成を前提とするワインのラベルが、本来脆弱な紙であることも面白い事実だと思います。もはや熟成の域さえも超越するほどの時間経過によって、ラベルとしての形状や体裁を喪失しつつも、かろうじて年号が判読可能なオールドヴィンテージのラベルには、その長い年月の趣を感じるとともに様々な想像力を掻き立てられる気がします「シャトー・モンローズ(Chateau Montrose)1933年」。

RausanSegla

 

 ワインのラベルは、いわばそのシャトーやドメーヌの顔ともいえるものでり、そのイメージを司るだけでなく古い歴史や経緯を知る手がかりがあったりします。あるいは、その意志や誇りが込められているものもあります。したがって、ラベルのデザインは踏襲されていくのが基本だといえるでしょう。しかし、時としてラベルのデザイン自体に大きな変更が加えられる時があります。そこには、そのモチーフの存在も含めて大変興味深いものがあります。

■「シャトー・クレール・ミロン(Chateau Clerc Milon)1982年と1983年」

シャトー・クレールミロン

■「シャトー・ラグランジュ(Chateau Lagrange)1983年と1984年」

Lagrange

 一見同じように見えるラベルですが、多くのシャトーやドメーヌでは、偽造防止も兼ねて各ヴィンテージによって、字体(フォント)や色、配置などを微妙に変えてくるものです。以下は、「シャトー・シュヴァル・ブラン(Chateau Cheval Blanc)」の4ヴィンテージですが、そこには基本デザインを踏襲しつつも多くの微妙な違いが見られます。

ChevalBlanc