ヴィンテージ・コルクスクリュー

 ワイン自体が長い歴史を持つため、それを抜栓する器具の歴史にも興味深いものがあります。現在、最も一般的とされるソムリエナイフよりも、コルクスクリューの歴史の方が断然古く、海外では専門のサイトやショップが幾つも存在します。

 その中で私の興味を強く刺激したものがあります。それは、見るからに歴史を感じさせるような雰囲気を持ったアンティークのコルクスクリューでした。それを初めて目にしたのは、ワインに関連したところではなくアンティークショップでした。

corkscrew

 詳しく調べてみると、イギリスLUND社の製品で偶然にもボルドー5大シャトーの格付けが決定した1855年に特許を取得したというものでした。おそらく偶然なのでしょうが、その時にはこのあたりにも何かの符合めいたものを感じ興味が増幅した気がしたものです。

 これを使って抜栓するには、穴のあいた小さなコルクスクリューを先にねじ込んでおきます。そして、ペンチに似た器具を利用し、一方をその穴に引っかけてボトルの口とをテコの原理を利用し抜栓するという仕組みです。なお、ペンチ側の稼働部分には、コルクがまっすぐにせり上がるように微妙な遊びを持たせた工夫がなされています。

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 この歴史を感じさせる一風変わったコルクスクリューを使って開けたワインには、何か特別な「趣」や「情緒」を感じる気がします。しかし、ソムリエやワインに携わる職業の方でさえ、この存在を意外にも知らない人が多いようです。

コルクスクリュー

 これを持参してワインに詳しいソムリエがいるフランス料理店に行こうものなら興味津々で話題は尽きません。また、当然サービスも変わってきたりします。このように良好なコミュニケーションが築けるのも、ワインのみならず、それを取り巻く環境や調度品の数々にも歴史があり、様々なことを思い巡らすに値するような付加価値があるからだと思います。