クリュッグの樽でできた万年筆

 万年筆に興味を持ちはじめた頃、フランスのプレステージシャンパン「クリュッグ」の樽でできた限定万年筆「KRUG by OMAS」に出会いました。それは、イタリアの万年筆メーカーであるオマスが2005年に発売したもので、クリュッグが30年以上も使い込んだシャンパンの木樽をボディ素材にしたものでした。その生産本数は、クリュッグが創設された1843年にちなんでのわずか843本でした。

KRUG PEN

 

 私がシャンパンに興味を持ったのは、まさにこの万年筆がきっかけだったのです。そして、それまでほとんど興味すら持っていなかったクリュッグの歴史や位置づけを調べていくうちに、「クロ・デュ・メニル(Clos du Mesnil)」というシャンパンの稀少性も理解し、その万年筆やクリュッグ自体の付加価値といういものに、興味と関心を持つに至ったのです。

KRUG

 

 「KRUG by OMAS」という万年筆は、ワイン(シャンパン)に興味のある人以外には、ただの白木の万年筆でしかないことでしょう。なぜなら、万年筆素材となる木材は、スネークウッドをはじめとして稀少で高価なものが多数存在し、オーク材などはその価値自体が極めて低いからです。実際、発売当初は万年筆好きですら、なかなか興味を示すような商品ではなかったようです。しかし、今となっては、その限定された生産本数とワイン好きにまで情報が浸透し注目されたことによって、稀少で入手困難な存在になっています。

Clos du Mesnil